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円卓2

はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会広報・連携部会を開催しました。
プロジェクトも折り返し点を過ぎ、後半戦に入ります。これから大きなイベントが続きます。
中でもグランドラウンドテーブルは全プロジェクトが関わり福島の浜・中・会津を横断するテーマによって対話と共感の場を創造する、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトのクライマックスでもあります。
2回開催するグランドラウンドテーブルのテーマを委員のみなさんと検討しました。決定したテーマは「食とものづくり」「福島と演劇」です。まだ、仮称ですが、充実したラウンドテーブルになりそうです。

円卓1

ところで、会議の場はとても大切。雰囲気のある空間は活発で創造的な議論とアイデアを生みます。
今回お借りしたのは喜多方大和川酒蔵のお座敷。出席した委員が囲むテーブル、これ実はかつての酒の仕込み桶の蓋なのです。
何年も銘酒を熟成させてきた桶の蓋、その円卓を囲んでの会議は人を連携させ議論を熟成させてくれるのです。

(川延安直)

いわき市立豊間小学校で行っている「夢の力プロジェクト 豊間ことばの学校」は、子どもたちの思いや考えを言葉にし、伝える力を培いたいという学校とPTAの方針に、少しでもお手伝いをしたいとスタートしたプロジェクトです。
1学期に行った4回の先生は、吉田重信さん、新井英夫さん(2回)、千葉清藍さん。絵、身体、書という異なる表現方法での「ことば」へのアプローチは、実にさまざまで、言葉がいかに表現の基盤にあるかを実感することになりました。
吉田重信WS1

吉田重信WS2

新井英夫WS1

千葉清藍WS1

2学期は、女優・声優にして映像作家の玉井夕海さん(3回)と千葉清藍さんが先生。玉井さんによる、思いを言葉にする、言葉に音を探すという授業は、とても刺激的なものでした。
間もなく行われる最終回(3回目)では、音と言葉と体による表現の融合を試みる予定です。

玉井夕海WS1

千葉清藍さんは、気持ちを置き換える言葉探し、そしてそれを筆と墨で記すことの面白さを教えてくれました。

千葉清藍WS2

子どもたちはいつも元気に楽しんでくれていますが、時折、震災の陰が現れます。それを受け止め、それでも立って、歩んでいける強さを、この子たちが持てるかどうか。そのための模索であり、大人の責任も考えさせられる「豊間ことばの学校」なのです。

(小林めぐみ)

黒塚新聞

黒塚発信プロジェクト
【「安達ヶ原の鬼婆」映像に】
10月8日の福島民友新聞さんに掲載していただきました。

ダンサー平山素子さん、監督高明さんのコメントをぜひご覧ください。

(川延安直)

飯舘2

東京電力福島第一原子力発電所の事故により全村避難が3年目に入った飯舘村飯樋地区のWさんを訪ねました。いいたてまでいの会のみなさんと協力して行っているいいたてミュージアムの取材です。

飯舘1

若い頃、自転車店で働いていたWさんはモータリゼーションが村にもやって来たことを知り、これからは自動車だと一念発起、独学で自動車整備工場を始めました。村で2件目の工場だったそうです。
今はもっぱら交通安全の啓蒙活動に忙しいWさんは地元の民俗芸能の継承にも取り組んでおられます。本プロジェクトが取り組むもう一つの事業、飯舘中学校での田植え踊り指導にも笛の指導にお越しいただいております。
資料として工場のフロントに飾ってあった交通安全のミニのぼりをいただきました。そして立派な松茸も!

飯舘3

でも、こんな立派な松茸もすぐに食卓にあげることはできませんでした。小さな出来事かもしれませんが、これが村が置かれている現実なのです。

(川延安直)

撮影の終盤は福島大学の美術棟で行われました。実習棟の中庭にセットを設置し、福島大学の渡邊晃一教授の作品を配置した舞台は仮設とはいえパフォーマンスを引き立てる気配が満ちています。

黒塚福大3

秋もまだ深まってはいないのですが、撮影は夜遅くに及び、しんしんと冷えて来ました。そんな中での本番は今回も体当たりの熱演です。作品の完成度のためには何事も厭わない、プロの仕事に本当に頭が下がります。

黒塚福大2

黒塚福大1

必ず素晴らしい作品に仕上がります。完成が待ち遠しい。

(川延安直)

浪江町請戸小学校での撮影後、2チームに分かれ、高明監督たちは翌日の撮影に向けてロケハンです。被災地の沿岸部は堤防の復旧が急ピッチで進められ、ほとんど砂浜に立つことができません。南相馬市の烏崎海岸でようやくイメージに適う砂浜に出会えました。ここで鬼婆再生のシーンが生まれるのでしょうか。

黒塚ロケハン1

黒塚ロケハン2

(川延安直)

黒塚二日目6

観世寺に続き、二日目は浪江町請戸の請戸小学校を舞台に撮影を続けました。撮影クルーを追って川俣町から浪江町を目指します。浪江町には立ち入り許可書を提示しなければ入ることはできません。

黒塚二日目1

途中の川俣町はいたるところに除染のため表土を剥がれた痛々しい土地が目につきます。浪江町の山間部も実に美しい風景ですが線量は車内で3マイクロシーベルトを超えるところがありました。

黒塚二日目2

浪江町も沿岸部に近づくと線量は下がります。しかし、沿岸部の請戸はいまだに津波の傷跡が生々しく、荒涼とした草原が続きます。

黒塚二日目3

幸い生徒に被害はなかった請戸小学校も大きなダメージを受けていますが、本プロジェクトでは震災の記憶をとどめることを重視しています。あえて傷ついた校舎での撮影を通してあの時福島に起こったことを記録しておきたいのです。

黒塚二日目4

傷ついた土地と人の物語、それが黒塚の一面なのではないでしょうか。子供達の姿が消えた校舎を歩む平山素子さんの鬼婆は生命そのものにも見えました。

黒塚二日目5

(川延安直)

黒塚発信プロジェクトもいよいよ大詰め。
映像作品の制作が始まりました。福島県出身の高明監督とそのチームによる平山素子さんのパフォーマンス映像撮影が二本松市の観世寺で行われました。ここは鬼婆伝説、謡曲「黒塚」の舞台として知られ、境内には神秘的な姿で巨岩が重なり、圧倒的な存在感を示しています。ロケハンを重ね、周到な準備のもとに撮影は着々と進んでいきました。

観音寺1

御住職、二本松市の職員も見守る中、鬼婆を演じるダンサー・平山素子さんの体当たりの演技はプロの仕事の真髄を目の当たりにするようでした。

観音寺2

観音寺3
作品の完成、公開までは詳細のご紹介は控えておきますが、素晴らしい迫力の演技をその場で拝見できたことは主催者として大変うれしい経験でした。

(川延安直)

岡部昌生フロッタージュプロジェクト2014札幌ラウンドテーブル終了後は岩見沢市に移動、翌日は奔別トークセッション「北海道・福島/炭鉱・アート」を開催しました。
岩見沢のホテルから会場の三笠市奔別へ向かいます。途中には現在も市営住宅として使われている炭鉱住宅があり、炭鉱の町へ来た実感が強まります。

岡部札幌ほんべつ3

会場は旧住友炭鉱選炭施設石炭積出ホッパー。坑内から掘り出され、選別された石炭を貨車に積み込む施設で、実際に現地で見るまでは想像できない迫力の建物です。
1971年に創業を停止し、その後セメント工場などとして使われた時期を経て、現在はNPO法人炭鉱の記憶推進事業団が管理しています。奔別炭鉱について同NPO理事長の吉岡宏高さんの説明を受け、講師の先生がたの熱量も高まって行きました。

岡部札幌ほんべつ2

岡部札幌ほんべつ

ホッパーには建物の床面100mをフロッタージュした岡部昌生さんの巨大な作品が壁面に展示されています。
この巨大空間の中、巨大作品の前でのトークセッションは強い場に負けない重厚なものでした。前日の札幌ラウンドテーブルでも取り上げられた近代とエネルギーを軸に、福島大学の渡邊先生の出身地夕張での子供時代から、石炭から原発への流れとこの国の近代化、そこに広がる闇、炭鉱が生んだ文化、さらに原発事故後の福島から地球環境へ話しは広がりました。
とてもこのブログでご紹介できるものではありません。今年度中にボイスリライトを作成しますのでぜひご覧ください。
さすがは北海道、後半には冷え込みも強まる会場で最後までお付き合いくださった参加者のみなさまと終始サポートしてくださったNPO法人炭鉱の記憶推進事業団のみなさまに深く感謝いたします。

岡部札幌ほんべつ4

(川延安直)

さる9月13日、岡部昌生フロッタージュプロジェクト2014札幌ラウンドテーブルを札幌市資料館で開催しました。昨年のラウンドテーブルは広島市で、今年は札幌国際芸術祭が開催されている札幌市で同芸術祭の連携事業としても位置付けていただきました。テーマは「札幌で語る〈近代〉」。
岡部札幌2
日本の近代化のために必要なエネルギー・石炭を供給し続けた北海道、石炭に代わり主要なエネルギーと位置付けられ、今回の災害をもたらした原子力、その原発の前線基地となった福島。
同様に日本の近代化を担わされた両地を結ぶラウンドテーブルは、南相馬市博物館の二上学芸員による岡部昌生さんの南相馬での活動紹介から始まり、写真家・多摩美術大学教授港千尋さん、明治大学教授・詩人の管啓次郎さんの提言と対話から福島と北海道が歩んだ歴史、両者に共通する傷痕、課題を浮き彫りにしました。
会場には南相馬市で制作された岡部昌生さんの大作を展示。津波で流失した住宅の基礎をフロッタージュした渾身の作品です。
岡部札幌1
3・11の記憶を生々しく引き出す作品の前に集まった多くの参加者の中には、南相馬市から札幌に避難した方、飯舘村から移住し牧場を再開した方もおられ、震災はまだまだ終わっていないという感をあらためて強くしました。
対話の熱は翌日の奔別トークセッションに持ち越されていきます。
岡部4

(川延安直)