Blog

2016年9月14日(水)、21日(水)、28日(水)
3回にわたって、夢の学び舎―いわき学校プロジェクト― 豊間ことばの学校が、いわき市立豊間小学校で行われました。
dsc_0017

講師は歌手・女優の玉井夕海さん。
みんなで海のうたをつくります!

豊間小学校は海にとても近い場所にあります。
東日本大震災では津波の被害を受け、
現在、学校の周辺はものすごいスピードで造成がすすめられ、海には防潮堤が造られています。
ここで、こどもたちに海のことを聞いていいのか、実は迷いがありました。
ですが、そんな心配をよそに、こどもたちは海が大好きで、自分たちの海のうたを歌ってくれました。

9月14日(水)
第1回目は、自分のなかにある海を描いてもらいました。
14224710_878549985580438_7736184467799858930_n
14332949_878550035580433_9221718206609388633_n
最初は、お友達グループで似たような絵を描いていたこどもたちも、
夕海さんの歌を聴いているうちにリラックスしてきたのか、どんどん自分の海を描き出しました。
青い海、赤い海、お魚の海・・・、とても豊かな海。

夕海さんともすぐに仲良しになりました。
14333667_878550038913766_3368653778860710306_n

9月21日(水)
前回、描いてもらった海の絵を見ながら、海について言葉にしていきます。
dsc_0022
絵を描く時はあんなに自由だったのに、言葉にするとなると急にわかりやすい言葉しか出てきません。
サーフィン、イルカ、くじら、たこ、いか・・・
夕海さんはそれぞれの言葉を掘り下げ、紐解いていきます。

みんな、海は好き?恐い?
好き!!
豊間の海で見たことある生き物にしようよ!
今は壁ができて、海に行けないよね?壁のことどう思う?
壁なんて気持ちの問題!
dsc_0030
dsc_0033
dsc_0047

どんな海のうたがいい?
歌って踊れる、のりのりのやつがいい!

ということで、
夕海さんは、次回までにロックでパンクな海のうたをつくってくることになりました。
14448959_1248227121907187_1117527488839880245_n
(この写真は、ロックな海のうたというお題が出される前のものですが、こんな感じで悩んでいます笑)

9月28日(水)
夕海さんが一週間考えてきたうたを、みんなで歌って演奏します。
まずは先週出してもらった言葉をもとに夕海さんが考えた歌詞をみんなで検討します。
dsc_0013

dsc_0020
中には、「そんな歌詞いやだ!」という声も。
そこには自分の好きな歌詞を入れてもいいことにします。
こうして歌詞が完成しました。

dsc_0025

いよいよ演奏です。
夕海さんがこどもたちの希望にこたえ、造ってきてくれたのは、
ズッツチャッチャ ズッツチャッチャ
というリズムが楽しい、コール&レスポンスのジャンガラ調ロックンロール!
dsc_0032
大太鼓がリズムの要。小太鼓とティンパニーで華やかに。
椅子も立派なリズム楽器。
木琴と鉄琴は間奏時のメロディ担当です。

最初はばらばらだったリズムも、練習するうちにまとまってきました。
次はリズムにのせて、歌います。
もうほとんど大絶叫。ものすごいパワーです。
一番前の女の子は頭をふりながら歌っています。ロックンロール!

思いを言葉にする力、言葉を伝える力、言葉を受け取る力
そんな言葉の力を育てたいという学校の要望から、豊間ことばの学校は始まりました。
3年がたち、自分たちの海のうたができ、
こどもたちから「タイトルは-?」という声があがりました。
この歌をもっともよく表す言葉を見つけようと、みんなが自分で言い出してくれました。
時間がせまっていたので、いくつかの案から決定することはできず、それは夕海さんとみんなの宿題となりましたが、
豊間ことばの学校が、確かに意味のある活動だったと感じられた瞬間でした。

うたがうまいのはひばり(ひばり)
そこにあるのは灯台(灯台)
なぜかたくさんショベルカー
われら海の子 豊間の子 はい!

なみにのるのはサーフィン(サーフィン)
つりをするのはおじさん(ぼくも)
めかぶたくさん食べた(おいしい)
あそびつかれてくじらになって あそぶぜ!

ながれついたのうんち(うんち)
さけんだのはおかあさん(おかあさん)
きょうかしょでよんだスイミー(スイミー)
ちいさな魚ががんばるお話

imagination imagination imagination

くじら みなみかぜ いか すいか はい!

imagination imagination imagination

海はひろいな 大きいな はい!

dsc_0035

成果展、今年度第2弾を足利市で開催しました。

アートで伝える考える 福島の今、未来 in ASHIKAGA
会期:9月6日(火)~9月14日(水)
会場:足利商工会議所1階 ギャラリーカッサ、市民ギャラリー

img_5629

今回の成果展では、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトが実施しているプロジェクトのうち、「岡部昌生フロッタージュプロジェクト」「福島写真美術館プロジェクト―南相馬環境記録プロジェクト」で制作された作品を展示しました。

フロッタージュの技法で都市、地域、近代の記憶の記録に取り組むアーティスト・岡部昌生さん。2012年、津波被害と原発事故の大きな被害を受けた南相馬市からプロジェクトを展開。その後、飯舘村・大熊町など原発事故の被害を強く受けた地域にプロジェクトは展開しています。今回はその中から、出発点となった南相馬市での作品を展示しました。
img_5628
土間に刻まれた擦過痕
テトラポッドに付着するフジツボの死骸
耕地整理の碑
津波被害の大きかった沿岸部は、もともとは広大な湿地帯でした。そこを干拓して耕地となし、人々は暮らしてきました。津波によってその地はもう一度人の手から奪われ、海にもどりつつありましたが、現在ではまた排水が行われ、人の利用する土地として整備が進められています。
自然をつくり変え、利用してきた人間の歴史。それを無に帰す自然の力。岡部さんの作品は双方の痕跡を写し取ります。

花道みささぎ流家元の片桐功敦さんは、2013・2014年に本プロジェクトに参加。南相馬氏に長期滞在をし、亡くなった命に捧げる花を撮影しました。
img_5625
廃墟となってしまった建物、そこに取り残された長靴や車に、野で摘んだ花が、
南相馬の縄文土器に食すことの許されない稲穂が、津波によって再生した花が活けられています。
鎮魂、悲しみ、怒り。
それらを引き受けてなお、草花は静かにそこにあります。

9月10日(土)にトークイベント、11日(日)にギャラリートークを行いました。
トークイベントは「足尾の記憶・福島の未来」と題し、
川島健二さん(民俗学研究者・群馬県邑楽町文化材保護調査委員)、皆川俊平さん(WATARASE Art Project代表)、篠原誠司さん(足利市立美術館学芸員)にご登壇いただきました。
dsc_0110
川島さんは、足尾銅山鉱毒事件に際しての田中正造の発言や行動を丹念に追い、田中正造の思想がその土地に移り住んだことによって生成されてきたことをお話くださいました。
dsc_0090
dsc_0094
皆川さんからは、WATARASE Art Projectの考え方や、取り組みについてお話いただきました。
dsc_0097
元鉱夫たちの住宅群を展示会場にする活動では、アーティストがそれぞれに地域と関わり作品を制作し、部屋という内密な空間・体験からかすかに足尾のことが見えてくるといいます。アーティストは境界をゆるがし、触れてはいけないことにさらっと触れる存在。
「地域のため」の活動ではないと言い切る皆川さんに潔さを感じました。

近現代のエネルギー開発と、それによる自然の破壊、村の破壊の歴史。そこに人々はいかに関わってきたのか。
足尾の歴史を繰り返してしまった福島。
語り合い、学ぶことは多く、この場を足利市・足尾の方と共有できたことは、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトにとってとても大切な出来事でした。

11日のギャラリートークにも、多くの方に来場していただきました。
dsc_0141
dsc_0160
作品のもつ強さが、見る人それぞれの心に根をおろし、何らかのきっかけとなる。
そう願い、展示の解説はひかえめに作られています。
それは時にわかりにくさになってしまうかもしれません。
このようなギャラリートークによって、少しずつ互いの理解を深めていくことができたら幸いです。

今回の成果展では、
これまで、はな・なか・あいづ文化連携プロジェクトの活動を通してつながりをもった方々が
展示を手伝いに来てくださったり、教え子に紹介してくださったりしました。
14212019_870617249707045_3987913004179609196_n
このような人と人とのつながりが、本プロジェクトの財産です。
今回の展示を見に来てくださったみなさま、ご協力いただいたみなさま、
本当にありがとうございました。