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郡山市で開催中の成果展、トークイベント3本立ての最後は、
9月18日(月・祝)、華道家の片桐功敦さん、ラッパーの狐火さんをお招きしての「被災地のあなたへ―今、郡山で話す福島」です。

会場となった安積歴史博物館は旧福島尋常中学校として明治17年に創立された建物。
とてもよい雰囲気の中、トークは展示中の片桐さんの作品の前で行われました。

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片桐さんは、2013・2014年に、南相馬市に滞在しながら、津波被災地で死者に手向ける花を活けてこられました。
その頃のひりひりした感情、怒り、哀しみについてお話しいただきました。

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狐火さんは、福島出身のラッパー。
震災当時、東京におられ、福島の家族と音信不通だった3日間に考え続けた、
大切な人がいなくなってしまうかもれしない恐怖、それを引き起こした震災・原発事故について言葉にし音にのせ配信したことをきっかけに、以後、福島を伝える言葉と音楽を発信し続けています。

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表現手段は異なりますが、どこか響き合うお二人。
今年は東京と広島で、お二人のトーク、パフォーマンスとライブを行っています。そして今回へと続きました。
花と言葉を武器に東京へのりこんだこと、8月の広島で深い共感を得たことについてお聞きしました。
そこに如実に見えるのは、都市間の温度差です。
深い傷を負い、それを伝え続けてきた広島。それ故にこそ、伝える方法に限界を見いだし、また新たな方向を模索している広島。
福島はどのような未来を描くのでしょうか。

最後は狐火さんのライブ。
片桐さんが花を活ける映像に、狐火さんの言葉が重ねられます。

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振り絞られるような、締め付けられるような言葉の数々に、聞く者はただそこに立ち尽くし、打たれます。
原爆ドームが広島の記憶を伝えるモニュメントとなったように、
片桐さんの花が、狐火さんの言葉が、このひりひりした感覚とともに伝わっていく。
それを受け取る心をなくしてはいけない。

会場からは、千年先にこのことを伝えなければならない、そしてそれはできる、という力強い言葉をいただきました。

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また、今回の会場には、片桐さんが私たちと結びつけてくださった方、狐火さんの存在を私たちに伝えてくださった方の姿が。
その出会いが次の出会いを生んでいく。
小さい声かもしれませんが、その声がまた誰かに届くことを願って、プロジェクトは続きます。

9月17日(日)、成果展が行われている郡山女子大学で、ワークショップとトークイベントを開催しました。

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今回の成果展では、会場となる郡山女子大学様との協働が様々な形で実現されました。
その一つが、中山晴奈さんをお招きしての、福島の多様な食文化に関するワークショップとトークイベントです。

郡山女子大学には、福島県内の食文化を伝える食具のコレクションがあります。
夏頃、それらを整理し、どのように活用するかを学生さんたちと一緒に考えるところからスタートしました。
成果展では、食具の一部を中山さんアレンジで展示しました。

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その器たちは、どのような場面で使われ、どのような料理が盛りつけられたのか。
それを体験するワークショップが行われました。

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きのこごはん、八杯汁、切り昆布煮、カレイの煮付けが本日の献立。
3班に分かれて、それぞれ同じ献立を作ります。
八杯汁はお盆や法事などで作られる汁物。名前の由来は8人分だとか、美味しくて8杯食べられるからだとか、様々です。全ての具材を細切りにするのが特徴で、お豆腐も拍子切りにします。
面白いことに、福島以外にも各地にあるのですが、それぞれ自分の所にしかないと思っているらしいということを、中山さんから教わりました。
切り昆布は、浜通りで加工されていますが、主に食されているのは中通りです。原材料は北海道からもたらされ、すばやく美味しく食べられるように絶妙にブレンドされているとのこと。
食には流通の面白さや、技術の妙が凝縮されています。

今回のワークショップで、中山さんは調味料の量を指定しませんでした。中山さんのお話と、これまでの経験から、それぞれの班で味付けをします。
想像力が試されます。
これには郡山女子大学の食物栄養学科の先生も「面白い!」と、興味津々です。

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できあがったものは、3班でそれぞれ見事に違うものになりました。
具材の切り方が大きいもの、小さいもの、汁気が多いもの、少ないもの。
提示された材料から、何を想像し、何を実現するか。とても面白い実験となりました。

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カレイの煮付け担当は、考古学がご専門の會田先生。
エプロン姿が異常に似合います。
とてもきめ細やかに、煮付けを仕上げていただきました。

こうした料理の他に、「せっかく女子大なのだから」ということで、中山さん考案のスイーツが作られました。
テーマは、山・海・石・苗・空。
素材は色々。それを盛りつけて名前を付けることで、ココアケーキが土になり、寒天が海になります。
「見立て」という想像力の力が、そこにはあります。

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さて、いよいよお待ちかねの実食です。
博物館からお持ちした様々な漆器を、学生のみなさんに自分で選らんでもらい、そこに盛りつけてもらいました。
「わあーきれい!」「凄い!!触っていいんですか?」と楽しそうに器を選んでいただきました。

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普段、本物の漆の器で食べることは少なくなってきていますが、このワークショップで漆器のお膳で食べる晴れやかさを体験してもらえたのではないでしょうか。

調理の合間には、思い出の食事についてみなさんにお聞きしました。

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ほのぼのしたものから、強烈なものまで、みなさんの食体験は様々です。
食は鮮明な記憶となります。その味や香りによって、記憶がふっとよみがえります。
その時、そこには誰がいたのか、どんな場面だったか、どんな気持ちだったか。
みなさん、とても楽しそうに語っていただきました。これが食の力なのだと、改めて感じた瞬間でした。

ワークショップの後は、民俗学者の野澤先生と中山さんのトークです。

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はま・なか・あいづ、それぞれの土地に根ざした食文化についてお話しいただきました。
それぞれの土地の季候や風土によって、いかに食は多様であることか。
スーパーやコンビニに行けば、全国で同じ食べ物が手に入りますが、そのことによって見失わされているものがあるのではないか。
思い出の食事に見られるように、その記憶は実に私的であり、かつその時一緒にいた人との共有体験でもあります。
地域の伝統食であれば、それはその地域の共通の体験であり、かつそこに生きた人の個別の体験でもあります。

食という最も身近な、身体的な体験だからこそ、そこにはその土地々々の根のようなものが感じられます。
私たちの体を育み、生かす食。
共同体を育む食。
多様な食のあり方が、文化そのものであると感じたトークイベントでした。

9月9日(土)、郡山女子大学で
トークイベント+標葉せんだん太鼓公演「文化でつなぐふるさと」を開催しました。

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講師は本プロジェクト参加作家の岩根愛さんと、
岩根さんが取材を続けている双葉町の盆太鼓奏者、横山久勝さんと今泉春雄さん。

まずは、岩根さんから、ご自身のこれまでの活動についてご紹介いただきました。
ハワイの日系人文化を取材してこられたこと、その中で出会った360°撮影できるパノラマカメラのこと。
ハワイでは日本の移民が伝えた盆踊りが、ボンダンスとして進化し盛んに行われていること。
そこで唄われる盆唄は福島にルーツを持つこと、それに導かれるように福島を取材し始めたこと。。。
震災後に、ハワイによる福島復興支援の中で、避難している福島の学生をハワイに招くという事業がありました。
所在なげにしていた女子高生が、ボンダンスの音色を聞いて、「あ、これ知ってる。福島の盆踊りだ!」と盆踊りに加わって踊り出したことに、岩根さんは衝撃を受けたと言います。
体の中にしまわれているふるさとの音。
その音が揺り動かす何か。
それを探し、ハワイと福島の太鼓による交流を受け持つ中で、
双葉町の盆踊りを伝え残そうと活動されている横山さん、今泉さんに出会われたそうです。

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双葉町は東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故により、帰還困難区域となりました。

民謡の宝庫とされる福島浜通り地方にあって、双葉町も数百年の歴史を持つという双葉盆唄を伝えてきました。
毎年、各地区で盆踊りが催され、「やぐらの競演」という各地区の盆唄・太鼓・笛の競演も行われていたそうです。
その中で横山さん・今泉さんは、双葉の新しい伝統を作ろうと、標葉せんだん太鼓保存会という創作太鼓の会も結成し、盛んに活動していました。

震災後、町民は離ればなれに暮らすことになり、双葉町の盆踊りは存続の危機を迎えることになります。
その中で、横山さん・今泉さんと岩根さんとの出会いが、ハワイに双葉盆唄を伝えるプロジェクトとして始動しました。
当初、ハワイのボンダンスを見て、福島の盆踊りがかくも変化し、しかも盛大に催されているいることにショックを受けたというお二人。
ですが、双葉盆唄をハワイに預け、いつか双葉町に帰る日に、また返してもらうことに託したのだと言います。
日本からハワイに渡った人たちが、遠いふるさとの記憶として大切に伝えてきた盆踊り。
ハワイ風に変化しながらも、そこにはふるさとへの思いが息づいています。
盆踊りは先祖を迎え送る踊り。
自分の中に、土地の中に、流れる血を感じ、継承する踊り。
双葉町を離れて暮らす方々にとって双葉の盆踊りはかけがえのないものなのだと、そこになくてはならないものなのだと、お二人から教えられました。

今年、いわき市にある仮設住宅で復活した「やぐらの共演」で拝見した(競演から共演になりました)、
お二人の様子、双葉町のみなさんの様子が、何よりもそれを物語っています。

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お二人は、岩根さんと出会ったことで明るくなったと言います。
ハワイのボンダンスを知り、その力強さに双葉町の未来を思われたのでしょうか。

「ふるさと」とは何でしょうか。
横山さんは、そこに吹く風であり、そこに寄せる波であり、空気であり、風景であり、音だとおっしゃいました。
盆踊りの音は、そこになくてはならないものなのだと、おっしゃいました。

いつかそこに帰る日に、その風が、その音が響いていますように。

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最後は標葉せんだん太鼓保存会のみなさんの迫力の演奏で締めくくられました。

岩根さん、横山さん、今泉さん
標葉せんだん太鼓保存会のみなさん
ご来場のみなさま
そして、サポートしてくださった郡山女子大学のみなさま
ありがとうございました。

9月6日(水)より、今年度第1回目の成果展が郡山女子大学で始まります。
本日4日(月)は、展示作業でした。
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展示会場は郡山女子大学建学記念講堂展示ロビー。
展示作業には、郡山女子大学の先生方、学生さんたちが参加してくださいました。
展示物の並び順や、展示方法など、一緒に考えてもらいました。
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事前に会場を下見し、展示プランを考えていくものの、やはりやってみないとわからないことも。。。
その場の判断で方針が揺らぐ中、みなさん、一生懸命、展示作業に携わっていただきました。本当にありがとうございました。

今日の展示作業には、参加作家の中山晴奈さんもいらしてくださいました。
はま・なか・あいづの食文化の多様さを、映像作品と郡山女子大学所蔵の食具の展示で表現していただきました。
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本プロジェクト実行委員会委員の、はじまりの美術館・岡部館長も展示作業に!
心強い味方です。
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大概、いつもぎりぎりの展示作業。
今回は郡山女子大学のみなさま、はじまりの美術館・岡部館長、頼りの日通さんによって、無事6日のオープンにこぎつけそうです。
みなさま、本当にありがとうございました。
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