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福島写真美術館プロジェクト成果展+PLUS 新発田

写真美術館プロジェクトの成果展を新潟県新発田市で開催しました。

福島写真美術館プロジェクト成果展+PLUS 新発田
会期:2016年10月19日(水)~11月4日(金)
会場:金升酒造 二號蔵ギャラリー

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写真の町シバタ・プロジェクトとの幸福な出会いにより、開催のはこびとなりました。
+PLUSには、写真美術館プロジェクト以外の写真作品も、という意味のほか、
新発田との出会いという意味も込められています。

会場は金升酒造の二號蔵。現在も実際にお酒が仕込まれている生きた蔵です。

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中にはお酒の発酵するよい香りが満ち、ほろ酔い気分での展示作業。

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1階には片桐功敦さん「Sacrifice」
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安田佐智種さん「未知〈みち〉の道」
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2階は
土田ヒロミさん「願う者は叶えられるか」
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高杉記子さん「Fukushima Samurai」
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本郷毅史さん「水源域・福島」
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赤阪友昭さん「山で生きる」
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岩根愛さん「Island in my mind」
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村越としやさん「福島2015」、赤間政昭「飯舘村飯樋町の田植え踊り」(映像作品)
すみません。写真を撮り忘れました・・・。

蔵自体が放つ存在感、縦と横に走る柱のリズム
それらとあいまって、とても雰囲気のよい展示になりました。

トークイベントも充実の3本立て。
10月18日(火)
オープニングイベントトークセッション「写真家の見た福島」
福島写真美術館プロジェクト参加作家の片桐功敦さん、本郷毅史さんを講師にお招きし、
お二人が福島にどう向き合い、作品を制作されてきたのか、お話いただきました。
怒りをモチベーションとして制作していたという片桐さん、
水源域にいる時は喜びしか感じないという本郷さん、
対称的なお二人の作品は、だからこそなのか、不思議と響き合います。
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10月26日(水)
トークイベント「写真の力と土地の記憶」
写真評論家の飯沢耕太郎さんと、福島写真美術館プロジェクト参加作家の村越としやさんがこの日の講師です。
飯沢さんからは震災以前の東北、震災以後の東北、一変してしまった風景、写真家はそれらに何を見て、何を伝えるのかというお話をいただきました。
村越さんはご自身の出身地である須賀川の風景や遺跡を撮影されています。村越さんのお話からは、変わらぬ風景、ここではないどこかでもあり得るかもしれない風景、しかし何かが変わってしまった風景、それを鋭敏に感じ取る写真家の目というものを感じました。

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11月2日(水)
トークイベント「写真と記憶 シバタ・フクシマ」
この展覧会を開催するきっかけともなったお二人、
写真家・著述家の港千尋さん、写真の町シバタ・プロジェクト実行委員の原亜由美さんが講師です。
原さんからは写真の町シバタの取り組みをご紹介いただきました。お家に残る古い写真とそれにまつわる物語を収集し、町の記憶を町中に展示する活動はとてもユニークです。
港さんは、過去と今をつなぐ写真の力、過去や思いを物質化・身体化する写真の力についてお話くださいました。
この日は、参加作家の高杉記子さん、岩根愛さんも会場におられ、作家本人からお話をうかがう貴重な機会ともなりました。
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会場にお集まりいただいたみなさんは、とても真剣に深く福島のことを受け止め、共に考えてくださいました。
新発田のみなさんとの出会いは、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトの誇りです。

トーク会場となった金升酒造蔵カフェもとても雰囲気がよく、みなさまと共に素敵な時間を過ごすことができました。

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そして、本展示の最後のイベントは、11月3日(木・祝)に行われたギャラリートーク。
午前の部には、今年5月に開催した「FUKUSHIMA SPEAKS アートで伝える考える 福島の今、未来 in NAGAOKA」でご一緒した、
長岡造形大学の小林花子先生と学生さんたちが来てくれました。
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午前のギャラリートークには昨日に引き続き、写真家の高杉記子さんと岩根愛さんも登場。
ご本人からの説明に、学生さんたちも真剣に聞き入っています。
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参加者からは、お二人がどのような意識で被写体の人物に向かわれているのか?という質問がありました。
撮影している方から逆に自分が見られているという恐ろしさ、本当に撮っていいのかという逡巡、
丁寧に取材を重ねられているお二人だからこその生の声。
ある覚悟をもって、当プロジェクトに参加してくださっていることに、改めて深く感謝いたします。

今回の新発田展は港さんと原さんの出会い、原さんと私たちとの出会い、写真の町シバタ・プロジェクトのみなさんとの出会い、
長岡のみなさんとの出会い・・・
そんな出会いの数々に支えられた展示でした。
ここには書き切れない、数々のつながりの結節点であり、またここから何かが始まりそうな予感をはらんだ新発田での展示。
充足感を胸に帰途に着きつつ、次の成果展の準備にとりかかります。

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2016.11.10