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福島祝いの膳プロジェクト 西会津リサーチ

2016年5月8日(日)
福島祝いの膳プロジェクト
フードアーティスト中山晴奈さんによる福島の食のリサーチプロジェクトが今年度の活動をスタートしました!
駆け足で進む今年の季節に追いつこうとするように山の懐に向かい、西会津の山菜リサーチ。
NPO法人西会津ローカルフレンズの皆さんのご協力のもと、山菜採りと調理のプロ!農家民宿経営の佐藤ミヨ子さんにたくさんのことを教わりました。
山菜の特徴、採り方、加工の仕方。
春の山はとても豊かな恵みで満ち満ちていました。それらを分けてもらい、手間暇かけて次の春まで1年間食べられるように保存のための加工をする。
それらは全て生きるためのこと。災害が起きた時それは大きな役割を果たすということ。
山に暮らす女性達から多くのことを学んだリサーチとなりました。

山菜採りを体験する中山晴奈さん

山菜採りを体験する中山晴奈さん

よく晴れた5月の一日。
新緑に輝く山々に囲まれた西会津奥川地区には、清流の水音が響いていました。
遠くには雪が残る飯豊山も臨めます。
山の懐に抱かれた美しい集落で、山の恵みをいただいて生きる暮らしをリサーチしました。

西会津町奥川の風景

西会津町奥川の風景

まずは農家民宿「みちのく山菜の宿」を営む佐藤ミヨ子さんから、山菜の保存方法を伺いました。
春に採れる山菜を長い冬の保存食とするために培われてきた知恵と技術の数々!
ぜんまいは筵に広げ、天日に干します。手前右は採れたてで、まだ青々としています。
それを揉んで余分な物を落とし、次第に乾燥させていきます。
ミヨ子さんの揉み方はとても無造作に見えますが、そこには熟練の技が隠されているようです。

ぜんまい揉みをするミヨ子さん

ぜんまい揉みをするミヨ子さん


こちらは塩漬けにされた蕨。
私たちはつい塩の量や、漬ける時間を聞いてしまいますが、
ミヨ子さんは長年の経験から、自然にやっているのだとか。
塩漬けされた蕨

塩漬けされた蕨その他

さて、いよいよ山菜採りに出発です。
今回は初心者向けに、ミヨ子さんの家の裏山で蕨を採らせていただきました。

蕨採りの出で立ち。なんだか勇ましい。

蕨採りの出で立ち。なんだか勇ましい。


つい夢中になる人々

つい夢中になる人々


収穫

収穫

おなかもすいてきたところで、ミヨ子さん手作りの山菜料理をふるまっていただきました。
素晴らしく美味しい山菜料理の数々に、しばしリサーチを忘れて舌鼓を打ちました。
(その後、しっかり調理法も伺いましたのでご心配なく)

ウドの煮物

ウドの煮物

蕨のお浸し

蕨のお浸し

山菜天ぷら盛り合わせ

山菜天ぷら盛り合わせ

最後に喜多方市のもう一人の達人のもとを訪ねました。
こちらでは蕨も揉んで乾燥させるようです。
おばあちゃんが揉んでいる横で、猫たちがくつろいでいる、そんな温かな午後。

蕨を揉む達人

蕨を揉む達人

傍らに寝そべる猫

傍らに寝そべる猫

ミヨ子さんや、喜多方のおばあちゃんが山菜を揉むのに使っている筵。
うまく揉むためには茣蓙ではなく筵がよいのだそうです。
以前は自分で筵を編んでいたとのことですが、今では筵を作る方も減り、大切な技が失われつつあるとのことでした。

山の恵みに感謝して、大切にいただくこと。
そのための知恵や技。
特に冬には厳しい環境だからこそ、育まれてきたことなのだと思います。
スーパーに行けば多様な食材が並んでいることが当たり前な今、それらは忘れられつつあります。
また、産地や成分を気にしても、本来食べ物がつないでいた自然と人との関係に思いをいたすことは稀です。
私たちの血となり体となる食べ物について、もっと根本的に大切なことがあるのではないか。
そう感じさせられたリサーチでした。

昨年度は川や海でのリサーチが中心でしたが、今年度は福島の山の恵みについてもリサーチしていきます。
続編は追って、アップしていきます。

2016.06.11