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精神の〈北〉へプロジェクト、今年度の活動の締めくくりとしてシンポジウム「北の美と魂」を開催しました。

荒れ模様の天候で喜多方までの道中はしばしばホワイトアウト。翌日も降りしきる雪。
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そんな中お招きした講師は、山内宏泰氏(リアス・アーク美術館学芸員)・山内明美氏(大正大学人間学部特命准教授)、山内宏泰さんからは、リアス・アーク美術館が長年取り組んでいる東北・北海道のアーティストを紹介する展覧会「Ne blood21」の運営について、山内明美さんからは東北の苦難とそれを乗り越える精神性について、お話しをうかがいました。

参加した「精神の〈北〉へ実行委員会」のサポーターからも感想、意見が活発に投げかけられていました。山内宏泰さんからは福島県外でも「精神の〈北〉へ」のことを聞く機会があったとお知らせいただきました。今後の「精神の〈北〉へ」の広がりを思い励まされるうれしい時間でもありました。
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(川延安直)

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第1回グランドラウンドテーブル「いま、福島からの演劇」が真冬の冷え込みのなか、喜多方市大和川酒蔵で開催されました。はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトでは初めての本格的な演劇テーマのイベントです。漆塗りの円卓を中心に二日間にわたり濃密な対話の時間が過ぎて行きました。
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まず初日は平田オリザさん、相馬千秋さんの基調講演からスタート。復興に向かう福島にとって平田さんのお話しは終始示唆に富んだものでした。その後のテープ起こしの要約でも省略するのに困る深い内容でした。相馬さんのお話しも東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所災害を真摯に受け止める演劇の力を信じさせてくれるものでした。基調講演後の赤坂憲雄実行委員長とのクロストークも当然の盛り上がり。
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第二部「福島の実践者からの報告」では、小畑瓊子さん(朝日座を楽しむ会代表)、三澤真也さん(大宴会in 南会津実行委員会委員)、島崎圭介さん(NPO法人Wunder ground代表)、佐藤雅通さん(福島県立大沼高校演劇部顧問)、篠田直子さん(喜多方発21世紀シアター実行委員会事務局長)から福島県内でのそれぞれの活動をご報告いただきました。それぞれが素晴らしい活動ですが、意外に互いの活動を深く知る機会は少なく、県内のまさに文化連携の場となりました。
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二日目は第三部「福島に向かうアーティスト」から。いしいみちこさん、小沢剛さん、やなぎみわさんによるアート・福島・アーティストを巡る対話です。原発災害後の福島に向き合うアーティストの情熱に主催者として大いに励まされました。
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最後の第四部「いま、福島から思考する演劇の可能性」は、グランドラウンドテーブルのスタイルで赤坂憲雄実行委員長×いしいみちこさん×小沢剛さん×平田オリザさん×やなぎみわさんが円卓を囲みました。思えばすごい顔ぶれです。これだけの知性が福島のことを真剣に見つめている。この場から福島復興の糸口がつかめるかもしれません。きっと何かが生まれることでしょう。
二日間11時間に及ぶ対話の時間、相馬さんが仰ったことですが、これまでにない演劇を語る場が冬の喜多方で誕生しました。早くも次回の開催が待たれます。

(川延安直)

12月20日福島写真美術館プロジェクト成果展福島フォーラム「福島で撮る」を開催しました。
いわき会場に続き二回目の写真美術館フォーラムはプロジェクト参加作家の写真家赤阪友昭さん、華道家の片桐功敦さん、そして郡山市を拠点に「福島の花」シリーズで商業写真の分野で活動する野口勝宏さん、東京電力福島第一原子力発電所のルポを敢行したフォトジャーナリストの小原一真さん、モデレーターに写真評論家の飯沢耕太郎さんをお招きした今回はまた一歩福島写真美術館に近づけたようです。
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飯沢さんの基調講演では、写真美術館の三本柱が提案されました。過去・現在・未来です。過去に撮り貯められた膨大な写真、プロ・アマ問わず、そのアーカイブとしての重要性に目を向ける。現在とは、もちろん東日本大震災後、東京電力福島第一原子力発電所事故後の現在です。これは福島写真美術館プロジェクトが取り組んでいること。さらに未来、未来を担う子供たちが映像、写真に親しむワークショップです。大変大きな構想ですが、これが今後の骨子となっていくだろう予感を持ちました。
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次いで行われた赤阪さん、片桐さん、野口さん、小原さんの活動報告からは写真を巡る活動の多様性が浮かび上がりました。
講演後のみなさんとの懇談では、大きな収穫がありました。県外での福島写真美術館プロジェクト成果展の開催案です。参加作家、飯沢さんのネットワークを通して長野、京都、東京での開催を検討することになりました。
また一つ福島の姿を伝える手立てができたことに感謝です。

(川延安直)

11月29日は、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトのイベントがダブルヘッダー。福島写真美術館プロジェクト成果展いわきのトークセッション「福島・写真・記録」と黒塚発信プロジェクト「黒と朱」完成記念上映+トークセッション「黒塚」がいわき市で開催されました。
実行委員長の赤坂憲雄福島県立博物館長が弘前の出張先からいわき駅前のもりたか屋の会場に到着。さっそく展示作品を鑑賞しました。
トークセッションは安田佐智種さんと本郷毅史さん、そして赤坂憲雄委員長で。安田さんはまず展示作品を前に制作の状況や作品の意図を来場者のみなさんにお伝えしました。中には報道機関の関係者もいらして熱心に質問と解説が行われていました。
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本郷さんは喜望峰からの自転車旅の記録を、今、取り組んでいる水源地の写真シリーズに結びつけて語ってくださいました。
後半は安田さん、本郷さん、赤坂委員長のクロストークとなりました。
安田さんのアートの先頭を走る表現、本郷さんの率直なフィールドワーク、それぞれ手法は対照的ですが、福島の今を提示する優れた表現です。
赤坂委員長の幅広い話題提供でトークは大いに盛り上がりました。
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安田さん、本郷さん、会場のもりたか屋さん、ご来場のみなさまありがとうございました。

続いて、もりたか屋さんから会場を映画館ポレポレいわきさんに移して、「黒と朱」完成記念上映会+トークセッション「黒塚」です。
赤坂委員長も初めて観る映像に期待は高まります。10分の映像ですが、主演の舞踊家・平山素子さんの並外れた身体能力と高明監督の撮影・編集により生まれた2014年の黒塚。そこに込められたメッセージは重く強いものになりました。
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映像の興奮冷めやらぬ中、平山素子さん、企画者である福島大学の渡邊晃一教授、監督の高明さん、赤坂委員長がステージに上がり、クロストークが始まりました。「黒塚」というテーマは監督にも平山さんにも初めてで未知の素材だったようですが、作業を重ねるにつれそのテーマの深さに気づいていったようでした。
最後にはアンコール上映。そして大きな拍手で長かった一日が幕を閉じました。

(川延安直)

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すっかりご報告が遅くなってしまいましたが、11月15日・16日にアーティスト開発好明さんのディレクションによるうまままつりが開催されました。
会場は南相馬のみなさんに長年親しまれてきた映画館朝日座。
すでに映画館としての営業はしていないのですが、現在は「朝日座を楽しむ会」の方々が保存活用事業を展開しています。
うまままつりでは同会の多大なご協力をいただき、朝日座内で仮設住宅の方々が作った手作りの品々の展示、ドキュメンタリー映画、活弁とバンドによる無声映画上映。駐車場ではポニーとサラブレッドの乗馬体験、開発さんのワークショップが行われました。
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二日目には加藤正俊さんのカレーキャラバンも来てくださり、会場に賑わいが加わりました。
さらに、アーティスト袴田京太朗さんが制作したスタンプベンチが会場に置かれ、さっそく子供たちが座って、遊んで楽しんでいました。
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ベンチは今後、街中に設置される予定です。

初めての試みでもあり手探りのまつりでしたが、芝居小屋から出発し歴史を重ねた朝日座の魅力を深く実感した時間でした。
朝日座を舞台にした新たなイベントや仮設住宅の方々との協働など今後の事業につながるたくさんのヒントもいただきました。

開発さん、朝日座を楽しむ会のみなさん、ご協力いただいたみなさまにあらためて感謝です。
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(川延安直)

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はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会広報・連携部会を開催しました。
プロジェクトも折り返し点を過ぎ、後半戦に入ります。これから大きなイベントが続きます。
中でもグランドラウンドテーブルは全プロジェクトが関わり福島の浜・中・会津を横断するテーマによって対話と共感の場を創造する、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトのクライマックスでもあります。
2回開催するグランドラウンドテーブルのテーマを委員のみなさんと検討しました。決定したテーマは「食とものづくり」「福島と演劇」です。まだ、仮称ですが、充実したラウンドテーブルになりそうです。

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ところで、会議の場はとても大切。雰囲気のある空間は活発で創造的な議論とアイデアを生みます。
今回お借りしたのは喜多方大和川酒蔵のお座敷。出席した委員が囲むテーブル、これ実はかつての酒の仕込み桶の蓋なのです。
何年も銘酒を熟成させてきた桶の蓋、その円卓を囲んでの会議は人を連携させ議論を熟成させてくれるのです。

(川延安直)

いわき市立豊間小学校で行っている「夢の力プロジェクト 豊間ことばの学校」は、子どもたちの思いや考えを言葉にし、伝える力を培いたいという学校とPTAの方針に、少しでもお手伝いをしたいとスタートしたプロジェクトです。
1学期に行った4回の先生は、吉田重信さん、新井英夫さん(2回)、千葉清藍さん。絵、身体、書という異なる表現方法での「ことば」へのアプローチは、実にさまざまで、言葉がいかに表現の基盤にあるかを実感することになりました。
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新井英夫WS1

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2学期は、女優・声優にして映像作家の玉井夕海さん(3回)と千葉清藍さんが先生。玉井さんによる、思いを言葉にする、言葉に音を探すという授業は、とても刺激的なものでした。
間もなく行われる最終回(3回目)では、音と言葉と体による表現の融合を試みる予定です。

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千葉清藍さんは、気持ちを置き換える言葉探し、そしてそれを筆と墨で記すことの面白さを教えてくれました。

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子どもたちはいつも元気に楽しんでくれていますが、時折、震災の陰が現れます。それを受け止め、それでも立って、歩んでいける強さを、この子たちが持てるかどうか。そのための模索であり、大人の責任も考えさせられる「豊間ことばの学校」なのです。

(小林めぐみ)

黒塚新聞

黒塚発信プロジェクト
【「安達ヶ原の鬼婆」映像に】
10月8日の福島民友新聞さんに掲載していただきました。

ダンサー平山素子さん、監督高明さんのコメントをぜひご覧ください。

(川延安直)

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東京電力福島第一原子力発電所の事故により全村避難が3年目に入った飯舘村飯樋地区のWさんを訪ねました。いいたてまでいの会のみなさんと協力して行っているいいたてミュージアムの取材です。

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若い頃、自転車店で働いていたWさんはモータリゼーションが村にもやって来たことを知り、これからは自動車だと一念発起、独学で自動車整備工場を始めました。村で2件目の工場だったそうです。
今はもっぱら交通安全の啓蒙活動に忙しいWさんは地元の民俗芸能の継承にも取り組んでおられます。本プロジェクトが取り組むもう一つの事業、飯舘中学校での田植え踊り指導にも笛の指導にお越しいただいております。
資料として工場のフロントに飾ってあった交通安全のミニのぼりをいただきました。そして立派な松茸も!

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でも、こんな立派な松茸もすぐに食卓にあげることはできませんでした。小さな出来事かもしれませんが、これが村が置かれている現実なのです。

(川延安直)

撮影の終盤は福島大学の美術棟で行われました。実習棟の中庭にセットを設置し、福島大学の渡邊晃一教授の作品を配置した舞台は仮設とはいえパフォーマンスを引き立てる気配が満ちています。

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秋もまだ深まってはいないのですが、撮影は夜遅くに及び、しんしんと冷えて来ました。そんな中での本番は今回も体当たりの熱演です。作品の完成度のためには何事も厭わない、プロの仕事に本当に頭が下がります。

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必ず素晴らしい作品に仕上がります。完成が待ち遠しい。

(川延安直)