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8月12日(土)いわき市南台の仮設住宅で、双葉町のみなさんによって「夢ふたば人仮設盆踊り」が開催されました。
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ハワイの日系移民の歴史や文化を取材されてきた、写真家の岩根愛さん。
福島県はハワイへの移民が多かった県の一つ。福島の盆踊りが伝えられ、ハワイでは盆ダンスとして定着しています。
岩根さんは現在、数百年の歴史を持つとされる双葉盆唄をハワイに伝える取り組みを追いかけています。

双葉町の盆踊り。
東京電力福島第一原子力発電所の事故により、帰還困難区域となった双葉町。
毎年盛大に行われていた盆踊りもなくなり、盆唄は存続の危機に瀕しましたが、
双葉町を離れて暮らす太鼓、笛、唄、踊りの名手たちが集い、いわき市の仮設住
宅で盆踊りを復活させました。
今年は6回目の開催となります。

お昼には会場のセッティングがなされ、準備が整えられていきます。
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やぐらの上ではリハーサル。太鼓をたたくのが楽しくて仕方がない、といった様子の標葉せんだん太鼓保存会の横山さんと今泉さん。
やぐらを降りた後も、拍子をとって本番に備えます。

取材・撮影する岩根さんの準備も進められていきます。
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やぐらには、各演奏団体の名称が記された垂れ幕が取り付けられました。
今年9月に成果展を行う郡山女子大学生活芸術学科の学生さんたちがデザインしてくれた垂れ幕です。
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成果展ではこの垂れ幕も展示いたしますので、ぜひご覧ください。

盆踊り開始直前。
岩根さんの360度カメラによって、双葉町のみなさんの集合写真を撮影しました。
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初めて見るカメラに驚きながらも、みなさんとても素敵な笑顔。

こどもたちも楽しそうです。
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さあ、提灯に火が入り、いよいよ盆踊りの開始です。
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宵闇が深まるにつれ、不思議な者たちが現れ始めます。
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そして美しい人も
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盆踊りは死者を迎える踊り。送る踊り。
この怪しげな者たちに交じって、先祖たちも踊っていることでしょう。

最後には岩根さんも盆踊りの輪の中に。
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年に一度の盆踊りを、復活させた人々。
この日には、各地に離れて住む双葉町の住民が集います。
ですが、ここは双葉町ではない、という事実。
その重さを引き受けながら、盆踊りは美しく儚く、楽しく、少し切なく、終わりの時間を迎えました。

9月に郡山女子大学で開催される成果展では
岩根さんが撮影した双葉町の方のポートレイト、集合写真を展示いたします。
9月9日(土)には、岩根愛さん、双葉盆太鼓奏者の横山さん、今泉さんによるトークイベントも開催いたします。
お運びいただけたら幸いです。

京都での成果展に向けたプレトークイベント2日目「痛みの記憶を伝えるために」
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日時:8月5日(土)13:30~15:30
会場:KYOTO-BA 京都場(京都市中京区西ノ京南聖町6-5)
講師:宮本佳明さん(建築家)、藤井光さん(美術家/映画監督)
司会:川延安直(福島県立博物館専門学芸員/はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会事務局)

今回は染め物屋さんの作業場だったという空間を使ったギャラリー+宿泊施設。気持ちのよい空間です。
三条商店街のすぐ近く。昔ながらのお豆腐屋さんや食堂と、新しくおしゃれなお店が同居する面白い商店街。おすすめです。

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お一人目は建築家の宮本佳明さん。
災禍、喪失、歴史の積層。。。その表象。
都市や街がその記憶を伝えるためにとった表現の形をご紹介いただきました。
また、阪神淡路大震災で全壊判定を受けたご自宅をリノベーションした「ゼンカイハウス」、東京電力第一原子力発電所を葬るのではなく忘れるのではなく祀り鎮める「福島第一原発神社」構想。
幾重にも示唆的な取り組みをお話しいただきました。

もうお一方は映画監督の藤井光さん。
歴史・記憶を伝え表現すること、モノが語りえること、語りえないこと。
映像が語りえること、えないこと。。。
「文化財」がレスキューされ、からっぽになった博物館の映像は、あるいは更地の映像は何を語り伝えるのでしょうか。
ある歴史の物語を語る装置としての博物館自体について、問いが投げかけられているように感じました。

会場からは、人文学系の学生さんなど若い方からの質問も多く、議論が交わされました。
トークイベントの醍醐味ですね。

今年12月に開催する京都での成果展。
このプレトークイベントが、何らかの下地、呼び水、波紋、となることを願います。

いよいよ本格始動のはま・なか・あいづ文化連携プロジェクト。
今年度は郡山市、福島市、別府市、京都市で成果展を開催予定です。

8月4日(金)・5日(土)に、京都展に向けてのプレトークイベントを京都市内の2会場で行いました。
まずは8月4日に行われた「福島に寄り添った証言者たち」についてご報告します。

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日時:8月4日(金)18:00~20:00
会場:ちおん舎(京都市中京区衣棚三条上る突抜町126)
講師:天野和彦さん(福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任教授/はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会委員)
山内正太郎さん(一般社団法人関西浜通り交流会代表理事)
安藤栄作さん(彫刻家)
司会:小林めぐみ(福島県立博物館主任学芸員/はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会事務局)

会場のちおん舎さんは、かつて西陣織の呉服屋さんだったという由緒ある町屋。
場のもつ力が、人と人との対話を後押ししてくれました。

最初にお話しいただいたのは、当プロジェクト実行委員会委員でもある天野和彦さん。
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天野さんは、震災直後、福島県最大の避難所だったビッグパレットの運営にあたられました。
どんなにハード面で復興が進んでも、それだけでは人は生きていけない。
希望がなければ人は生きていけない。
ため息に相づちを打ってくれる誰かがいてくれるだけでもいい。そのために人が集える場所作りをされた実践について、お話しをいただきました。
人が人として生きるために、文化が必要なのだという天野さんの言葉は、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトの原動力でもあります。

お二人目は、関西に避難された方々を支援してくださった、関西浜通り交流会の山内正太郎さん。
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東北から遠く離れた関西に避難された方々に対して、こんなにも丁寧に寄り添い、支援してくださった方がいたことを、私たちも初めて知りました。
山内さんの原点は「なぜこの人たち(避難者の方々)は、このような目にあわなければならないのか」という問いだったと言います。他者への想像力。それこそが今、私たちに問われていることではないか、と改めて教えていただきました。

三人目は彫刻家の安藤栄作さん。
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安藤さんは、震災当時いわき市の海沿いにお住まいでした。3月11日はたまたま外出していたため、ご家族ともに難を逃れましたが、お家やアトリエに保管されていたたくさんの作品は失われてしまいました。その後、関西に移られ、福島のことを様々に発信していらっしゃいます。
津波にさらわれた瓦礫の中から見つかったのは、お子さんが小さかった時に贈られたおもちゃや、地域の方が大切にされていた神社の社でした。最後に残るのは、人の人に対する思いなのではないか。目には見えないけれど、確かにそこにある人と人とのつながりのようなものなのではないか。安藤さんのお話しをそう受け取りました。

お話しいただいた内容は三者三様ですが、そこに通底するのは、人の思い、人と人とのつながり、ということなのだと思います。
「つながり」「絆」という言葉で言ってしまうと安易に過ぎる気もしますが、最後に人を支えるのはそこなのではないかと教えていただいたトークでした。

東北人にはつらい夏の京都でしたが、それにも負けぬ熱いトークでした。
これから、各地での成果展、トークイベントなどなど、怒濤のように開催して参ります。
随時、ご報告していきますので、ご一読いただければ幸いです。